建設業許可取得要件③

行政書士の中安です。

今回は誠実性、財産的基礎等、欠格要件について説明していきます。

① 誠実性とは

建設業の営業は他の産業とは異なり発注者からの注文生産であるため、その取引から長い年月を要する場合があり、また材料費やなどの前払いなどによる金銭の授受が慣習化している等により、いわば信用を前提としているものであり、請負契約の締結や工事に際し不正や不誠実な行為をすることを認めるわけにはいきません。

このことから建設業許可の対象となる者が請負契約において不正又は不誠実な行為をする恐れがない事が必要です。

不正または不誠実な行為とは?

不正な行為・・・詐欺や横領、脅迫、文章偽造などの法律違反をすること。

不誠実な行為・・工事内容や工期、天災等による損害の負担等請負契約に違反すること。

上記の可能性がある者については許可要件は満たしません。

② 財産的基礎

倒産する事が明白である場合を除き、以下の財産的基礎又は金銭的信用がある事が必要です。

・一般建設業 次のいずれかに該当すること

*自己資本の額が500万以上であること

*500万以上の資金調達能力があること

*許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績あること

・特定建設業 すべての要件に該当すること

*欠損の額が資本金の20%を超えないこと

*流動比率が75%以上であること

*資本金の額が2,000万以上以上であること

*自己資本の額が4,000万以上であること

自己資本とは、法人場合、貸借対照表における純資産合計の額をいいます。個人の場合には期首資本金、事業主借勘定及び事業主利益の合計額から事業主貸勘定の額を控除した額に負債に計上している利益留保性の引当金及び準備金の額を加えた額をいいます。

500万以上の証明は銀行の残高証明書(有効期限を求める都道府県あり)及び融資証明書で確認します。

③ 欠格要件及び拒否自由

許可を受けるとき以下に該当するときには許可を受けれません。

*許可申請、添付書類中の重要な事項について、虚偽の記載又は重要な事実の記載が欠けている場合(窓口や内部審査で確認)

*建設業者として適性を期待しえない考えられる、以下のいずれかに該当するもの(許可行政庁や地検、県警、市区町村に照会し確認)

・成年後見人

・不正手段による許可の取得、営業停止処分を無視した営業により許可の取消処分を受け5年に満たないもの

・取消処分に係る聴聞の通知があった日以降、廃業届出をした者で、その届出の日から5年を経過しないもの

・廃業届を提出した法人の役員等や使用人、個人の使用人であった者で、その届出の日から5年を経過しないもの

・営業停止期間が経過しないもの

・許可を受けようとする建設業について営業禁止期間中の者

・禁固以上の刑に処せられ、その刑の執行が終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しないもの

・建設業法又は一定の法令の規定に違反して 刑に処せられ、その刑の執行が終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しないもの

・暴力団員等でなくなった日から5年を経過しないもの

・暴力団員当がその事業活動を支配する者

誠実性や欠格要件など許可を取るには様々な要件を満たす必要があります。以前の記事でも要件や提出書類等3回に分けて書いてきましたが大まかな要件等はお分かりいただけたでしょうか?

新規で建設業の許可取得するにはなかなか難しいと感じられるかもしれませんが取得する事により500万円以上の仕事をする事ができるようになり、今まで以上に売上が見込めるようになり発注者からの信頼も厚いものとなります。その他社会的な信用や銀行に対しても融資が受けやすくなると考えられていますので少しでも可能性のありそうな方はご相談ください。あまり確認せず諦めてしまう方がいますので。

ご自身でも勿論申請自体は可能ですが仕事しながらの準備は中々大変な作業になると思いますのでその際は専門の行政書士のお任せすることをお勧め致します。

その他建設業の各種相談も受け付けていますので是非ご相談ください。